着物にあまり馴染みの少ない方が戸惑いやすいことの一つがサイズ感ではないでしょうか。
着物の適正なサイズというと、着付けの教本などで“着丈は足のくるぶし前後、裄は手のくるぶし前後”と説明される事が多く、これを基準にサイズを選んでいる方もいらっしゃると思います。
洋服と着物の大きな違いの一つは、その仕立方にあります。
洋服の場合は、体の形に出来上がった布の中に体を入れています。
これに対して着物は、直線に仕立てられた生地を体に合わせ、紐で縛って調整しながら着ます。
つまり着物は自分で体の形に合わせて着付けていくもの、そして所作で体に馴染ませていくものと言えます。
着付けが終わった直後にきれいでも、動けばその動きに合わせて変わっていきます。
逆に言えば、極端に短すぎる、引きずるほど長いということでなければ、上記のくるぶし前後に対して数cmの違いで心配されなくても良いでしょう。
この基準を厳密に気にするよりは、日常的にお着物に馴染んで、着物ならではの身のこなしを是非身につけてみてください。
あなただけの着姿が、一番美しいものです。